馴れ合えない私

友達というのは増やしたいもので、
積極的に人と会うようにはしている。
たとえば読書会に参加してみたりする。

そういう場というのは、何を謳う集まりであっても、
結局は馴れ合いなのだ。
つまり「この人はこれこれのメンバーだからいい人」
というような価値観で動いているのだ。
だからそこに入っていくにはこちらとしても、
「あなたはここのメンバーだからいい人ですよねぇ」
という前提でメンバー全員を受け入れないといけないのだ。

しかし、私にそれはできない。
結局、一対一の精神的つながりを求めてしまうのであり、
その人間の本性、真に文化や知識を追求しているのか、
洗練された趣味の持ち主であるのか、
感性が自分と合うのかなどと、
基準を設けてスクリーニングした上でないと付き合えないのだ。

そこで問題になるのは、拒絶されたと相手に思わせてしまうことだ。
「当然、私のことも受け入れてくれるよね」という甘えで
私に話しかけてくる相手に、
そもそもそういう甘さが透けて見える時点で私は萎えてしまい、
ついつい薄い反応しか返せないでいると、
相手は「拒絶された!」というあるいは「拒絶された!!!」という
強い負の感情を抱く。
それはどんどん周囲に伝播して、私は悪の枢軸に認定されるのだ。

結局、高校から大学に行っても、
また社会に出ても、あるいは職場を離れても、
馴れ合いという土壌自体を肯定して、
そこに溶け込まない限り、私は肯定されないのである。
そしてそうした暗黙のルールや制裁を無視してまで、
私と親しくしてくれるような人間は、
ほとんどいないというのが悲しい現実である。