プリウスの件で叩かれすぎ

世間は思うさまトヨタ自動車を叩いているが、
小さな瑕疵を叩きだしたらきりがない。
例えばサラリーマンが死ぬ思いで建てるささやかな邸宅。
これ、虚栄心剥き出しの立派な小さい邸宅は、
建てる過程を見ていると非常に貧弱な骨組みである。
ちょっと知っている人によると、あれでは弱すぎるとのことだが、
それでも周りを綺麗にデコレートしていけば、
立派に見えるものである。
この世に安くて完璧なものなどないということに、
普段は目を瞑って、自分すら欺いて生きているのに、
他人事、特に成功者の瑕疵となると、
一斉に非難して最悪の事態のように言うのは実に卑しい。


最近の潮流に嫌儲というのがある。
これが最近、著しいではないか。
とにかく金持ちに対する嫉妬である。
それで貧乏ですとか、苦労してますというと、
途端に「親近感が沸く」「応援してる」となる。
それが苦労して頑張った挙句金持ちになったら叩くという。
自分勝手で醜い、偽善的な応援である。


トヨタ自動車にしたって一朝一夕で今日の繁栄を得たわけではない。
戦後の焼け野原からの復興の中で、
トヨタが果たした功績を考えたら、
あと100年くらいは踏ん反り返っていてもいいくらいである。
それが誠実にリコールしていて何が悪いというのか。


そして実際、プリウスの問題というのは、
運転者側の問題も大きいのだ。
回生ブレーキあってこそのプリウス
それが新技術で今までのブレーキとは違うというのは、
周知のことではなかったのか。
それだって今回のリコールでより、
従来のブレーキ感覚に近づくのである。


私とて自分の使っている製品に問題があれば
苦情も言うし是正も求めるが、
しかし生活上のリスクテーキングを考えれば、
今の安くて便利な世の中はありがたいもので、
それこそ何かあったときに誠実に対応してもらえれば、
それで十分なのである。