ホームレスの象徴

近頃は深刻なホームレスがしばしば取り上げられる。
しかし、現代社会におけるホームレスというのは、
むしろ呑気で、社会の豊かさの象徴ではなかっただろうか。
ずばりホームレスの象徴はシケモクだ。
湿気った煙、すなわち呑みさしのタバコである。


地面を探せば誰かが捨てた吸いかけのタバコが見つかる。
これが豊かといわないで何なのか。
ある意味、千年王国的だ。
千年王国思想というのは、ある種の楽園思想だ。
例えば南国のように自生のバナナが手に入るなど、
労働しなくとも全住民が平等かつ幸福に生活できる、
そういう社会の研究である。)


つまりタバコという直接生存に関係のない、
嗜好品すら労働せずに手に入るというわけである。
時代が変わり、だんだんタバコが社会から追放されるにつれて、
ホームレス事情も変わってきた。
そんな気がするのは、ただのこじ付けだろうか。