銕八幡−宗像教授異考録

2008年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞をとった作品。星野之宣著、小学館刊。
この4巻に出てくる地底神社が銕八幡神社

銅の採掘所内に建てられた鋼の神社。その存在は極秘であり財・政界の重鎮のみが参拝を許される聖なる場所。
なかなか面白い設定である。

椎名高志氏のGS美神 極楽大作戦では江戸の町は風水に則って作られ、その後もその風習が残っていたが、新都庁の建設で霊山、富士からの地脈、気の流れが阻害されてバブルの崩壊が起こった。東京の地下には秘密の神社がある。そういう設定が出てきて大変、興奮した。
しかし、この宗像教授−の場合、作品全体が地味で真面目で、およそ荒唐無稽をやりそうにない雰囲気の中でそういう設定が出てくるので、独特というか、現実味を感じさせる、心地よい不気味さがある。

はじめは諸星大二郎氏の妖怪ハンターシリーズに比べて(Amazonで諸星作品の購入者が宗像−も買っていると知ってから読み始めたので、どうしても比べてしまう)ファンタジーの部分が少ない分、読んでいて今ひとつ盛り上がりに欠けると思っていたが、なかなか味があると思い始め読み続けた結果、なかなか自分好みのエピソードに出会えたというところである。