お守りの使い方

刑務所の中」(花輪和一作、青林工藝舎刊)を
読んでいて、受刑者同士で電話番号を交換したら、
不正連絡としてメモ用紙を取り上げられ罰せられたという、
話があった。
そういう事態を考えていたら、
お守りというものの役割が分かった気がした。
つまりお守りというのは信仰であり、
ある程度、不可侵が守られるので、
ある意味セーフボックスなのだ。
現代でお守りを開けて、そこに貴重品を入れるという人は、
ほとんどいないかもしれないが、
江戸時代などには、関所で官吏に見つかりたくないものを、
お守りの中に入れてやり過ごしたのではないかと
想像される。