集団への埋没は危険

以前の職場に
「後輩が出来たらそれをいじめられるから、
今は我慢しろ」という年配の上司がいた。
彼は長らく極度に体育会系の組織にいて、
その経験から彼なりにアドバイスをくれたわけだ。
しかし、私はその時点でその人物にも、
そんな人物を雇う法人にも嫌気がさした。


なぜこんな暴力的で無責任で、おぞましいことを
言えるのだろうか。
それは偏に集団に埋没して生きてきた中で、
自己というものを失ったからであろう。
つまりある組織に終身属するつもりの場合、
自分で正否を判断するより
組織の実態がどうであるかということの方が、
重要になってくるのであろう。
小中高等学校という環境で
上手く生きられるタイプが
それと同じである。


しかし、今や終身雇用を期待するなどナンセンスだ。
従って「自分は集団に同化しているので、
絶対に安心だ。逆にはみ出している連中は
集団のやり方でいじめてやろう。」
などという心根の人間は、
どこかで必ず人生に行き詰るであろう。
そしてそれは自業自得であり、
社会はそういう人間こそ放逐し、
冷遇に処すべきである。


なぜならそういう人間こそが、
法令順守を乱すのだ。
彼らにとって大事なのは集団の中で認められることで、
客観的に法令や憲法に適っているかなど、
どうでもいいのである。
そして法令順守を貫くために
声を高くして馴れ合いの温床に波紋を立てる者を攻撃し、
広い視点での社会秩序を破壊するのである。