顔の見えない話

会話相手の顔が見えないということは気味が悪いことだ。


今までは、わざわざ出張して打ち合わせをしたり、
高価な機材でテレビ会議をするメリットがよく分からなかった。
しかし、自分自身で段々と他人の表情を読めるようになり、
それを種種の判断材料にするようになってくると、
顔の見えない状態で何か交渉ごとをするのが
敬遠されてきた。


電話というのは手軽で便利ではあるが、
そういう考え方の上に立つと、
電話越しで何か重要な話をしてくる相手に対し、
何か疑いの念を抱いてしまうのである。
自分の内面を隠して都合よく約束を取り付けたいとか、
もしくは信頼関係の形成が大切だという認識がないとか、
人としての粗雑さや自分勝手さが感じられるのだ。