家庭における男子の在り方

一家の長たる男子というのは、
常に家庭の中心に鎮座しつつも、
同時に家庭の輪に入り込んではいけない存在である。
つまり絶対君主として統制をとるべき者は、
決して一座に加わって仲良く談笑してはいけないのである。


現代の家庭において父性というものが欠如して、
子供、とりわけ男子の自立、成長が遅れる、
若しくは歪む原因というのは、
父親も家庭を楽しみ一座に加わるという、
絶対君主の欠如なのではないかと思うのだ。


家庭には必ず一人、異質で近寄りがたい存在が必要なのだ。
それによって家族は数々の不和を乗り越えて団結できる。
そうした脅威にも近い存在がいなくなると、
途端に個々人の我が張り出して、
アナーキズムに突入する。
すなわち家庭崩壊である。
これは学級崩壊についても同じことが言えるのではないだろうか。
つまり教師が生徒と同一化して、
一緒にクラスを楽しむ存在になってしまうということだ。


いわゆる「空気を読む」というのも行き過ぎると、
集団の統率を失わせてしまう。
中には空気を破壊する、空気を変える、
恐れられ、崇められつつも、決して仲間には加わらない、
恐い存在が必要なのである。