2010-05-16 無一物 生活 僕の父方の祖父は物質に執着しないことを説いた。 それを自ら体現した。 法廷で争えば容易に取り返せる不動産を、 あっさり占有者にくれてやった。 僕の父は人を赦せない。 僕もまた人を糾弾する。 人に不動産をくれてやった祖父は、 その相手を赦したのだろうか。 それとも自らの心の平生のために、 些細なことを水に流しただけなのだろうか。