私が私の愛する人を諦めた理由

私はどうしても愛想を振りまくということができない。
人のそういう様を学びたいと見ると同時に、
さも犬が尾を振るかのような真似をと、
軽蔑して見もする。


私の愛する人はとある機会に犬のような人が好みと言った。
もしかしたら、その人の言った犬というのは、
もっと違った好意的なイメージだったのかもしれない。
しかし、そんなことは今更どうでもよいのだ。
ただ、私は私のプライドの方を、
より優先したということだ。


私の愛というのは所詮その程度のものだったという点で、
私という人間というか、器はその程度だということだ。
私は私が悲しい、
などと私のことで頭が一杯の私を、
私は軽蔑する。