結婚披露宴のABC

なんと言っても第一は、幹事と新郎新婦の意思疎通が
行き届いていることだ。
私は幹事からオープニングスピーチの
逐次通訳を頼まれていた。
私は快諾し、打ち合わせも済んだ。
しかし、実は新婦側の友人に英語教師がおり、
新婦としては海のものとも山のものとも知れぬ、
私の英語力を披露することを嫌がったのだ。
そして、当日それは暗黙にスキップされた。


こんなに失礼な話はないであろう。
もちろん、めでたい席のことなので、
その時も、事後にも何も言いはしない。
何が悪いかというと、
幹事が一人で舞い上がり、
肝心の主役の意向を事前に確認していなかったことである。


確かに万事が万事、細かく確認されるくらいなら、
主役が自分で幹事をした方が早いかもしれない。
しかし新郎新婦の友人に協力を頼むことについては、
幹事が勝手に打診するべきではない。
むしろ、新郎新婦、両方の承認を得て、
友人ルートで頼むべきである。
また、なあなあに頼むのではなく、
完全に裏方として手伝うのか、
招待客として来て、部分的に手伝うのか明白にするべきだ。
それは会費を払うかどうかに関わり、
それはご祝儀の額に関わるからである。


こういうことを知らない慮れないようでは、
社会人とは言えない。
儀礼や伝統は伊達にあるわけではないのだ。
結局のところ人間の心理がどういうもので、
どうしたら協調協力が上手くいくかという、
先祖伝来の智慧の結晶がそれなのだ。