絶交状というものがあるんだ

今しがた車谷長吉氏の書いたものを読んでいて、
絶交状というものを再認識させられた。
その逸話の上では、
友人の縁である小説を作り、
当人もそれに目を通した上で認めてもらったものを
公に発表したところ、
当人の怒りを買って絶交状が送られてきた
というようなことである。


私が心から慕っているけれども、
一言も交わしてくれない先輩に対して、
一度、「あの友人を許せなくて絶交状態です」
ということを話したのを思い出した。
おそらく私の他人への厳しさが、
どれほど人を傷つけるかということが、
今になって私自身に降りかかっているのだろう。
いい加減に諦めろ、自分。
もし私が怒って絶交しているなら、
そこに一分のチャンスもないということは明白で、
他者が私に怒って絶交していても、
同様に一分のチャンスもないのが公正ということだ。