一般人だって科学する

今日の笑っていいともで、ある女優が
「お腹が減ってるわけでもないのに、お腹が鳴っちゃって、
きっと脳みそがそうしろって言ってるんじゃないかと」
などというわけのわからない事を言って
タモリ氏を困らせていた。
内容を察するに、
「舞台中にお腹が鳴って困ることがある。
これはきっと緊張のせいなのだ。
それは空腹でないにもかかわらず脳からの信号で
そうなると思う。」
ということなのだろう。


論旨をまとめ切れていなかった点はともかく、
一般人、すなわち知識層に属さない人も、
それなりに科学をしようとしているのだ。
すなわち、5感を通して観測できる現象を、
知りうる法則など証明済みの知識に照らし合わせて、
その原理を解明して理解しようとしているのだ。


私もそういう者の一人だ。
しかし、これをやってよい顔をされることはあまりない。
私より知っている者は馬鹿にしたような顔つきで無視する。
私より知らない者は博士号も持っていないような人間が、
でしゃばった発言をするなという顔つきで無視する。
まぁ要するにその正否を判断できないか、
間違っていると分かっても、それを説明、
すなわち反証することができないのである。
それならばいっそ、
「そういう考え方も面白いね」と
お茶を濁してくれればこちらのプライドも傷つかないのにと
思うのである。
そういう対応をしてくれたのは
予備校時代の生物の講師一人である。
その先生は本職は遺伝関係の研究者で、
副職として受験講師をしていた。
私がある時、
「生物の進化すなわち遺伝子の変化は、
自然中の放射線、つまり地球創生以来の
半減期と相関性があるんじゃないでしょうか。」
という質問をして、一瞬困った顔をしてから、
「それは面白い考えだね」
と言ってくれた。
今考えると、そんなこといきなり聞かれても困るだろうなと
思う反面、今も当時もこれはありうる考えと思っている。


そういうふうに話を聞いてくれる人もいるわけだから、
科学する心と、それを表現しようという心は、
決して捨てるものじゃないよなと思った昼下がり。