とらドラ!に見る女性優位

一昔のマンガ、ドラマにおける男女の立ち位置というのは、男が富裕層で女性が貧困から中流というもので、公の暗黙として玉の輿の流れであった。
それがだんだん、例えば柴門ふみなどのように、お互い対等な平均的労働者階級になったのが90年代である。
そして2000年以降から現在、むしろ女性の方が、ハルヒ然り、優位的立場である。
エヴァンゲリオンは、90年代の産物の証として、まだセカイの行く末の鍵を握るのは男たるシンジである。
このあたりからセカイ系の潮流が始まり、SciFiでいう平行宇宙物であれば何でもありなので女が強いのもありじゃないかと。
とらドラ!に至っては主役男キャラたる竜児はちょっと気の毒なくらいの設定である。

とらドラ!に見る暗黙のメッセージは、これからの男は貧乏、親戚が少ない、家事炊事が得意がよろしいというものである。
これはかつての日本社会で結婚するならこういう女性がよろしいとされた価値観である。
そして、ここで一点問題提起がある。
そういう価値観は、社会でバリバリ稼いでいた男が持っていたから意味があったのであり、男女共に格差社会で喘いでいる社会において、しかも情緒不安で長期的に稼ぎ続けられるか怪しい大河ら女性陣を中心に描いても真実味が感じられないのである。