美しいということ

真に美しい人というのは、普段はそうでもないのだけれど、
ふとした光か何かの加減でこの世のものと思えないほど美しくなる。
そういう瞬間はこの世で一等、得がたい。


本当は、それはどんな人にもあるはずだ。
心の醜い人というのがいる。
しかしその醜さが行き詰るところまで行ってしまうと、
ふと憎しみが、おかしみや愛嬌に変わる所がある。
そういうことも、また一例だ。


逆にうまいこと自分を隠して、
美しいとも、醜いとも断じられない手合いもいる。
そういうのは、うまくやっているように見えて、
何一つ人を惹きつけるものがないので、
結果、誰にも相手にされない一生になる。
それはそれで当人がよければ、いいのかもしれないが。