エヴァンゲリオンを1.5倍ぐらい楽しくする動画 Part1-8

http://www.youtube.com/watch?v=kuB2pL-53KA&feature=channel_page
ginmetto2氏作

これは非常に簡潔にエヴァの一解釈を述べた作品です。
まぁ1-8(8は3部構成)で、ちと長いですが。

乱暴にまとめると、人間には
デストルドー(自殺や破壊への衝動)と
リビドー(生や性への衝動)がある。
その間にあるのがAT(Absolute Terror)フィールド。
デストルドーのみになると、それがすなわちアンチATフィールドで、人の形を崩壊させてしまう。
ネルフ本部の地下深くにあるリリスはリリン(ヒト)の母であり、レイはリリンの魂を持っている。
エヴァも零号機と初号機はリリスから創られている。
アダムはシトの源であり、エヴァ弐号機はアダムから創られている。
ginmetto2氏によるとエヴァevangelion(=福音)でeve(イヴ)のことではないから、リリスから生まれたエヴァがいるのも納得できるのではないかとのこと。
等々。

そして私の一番、気にかかっていた「気持ち悪い」のシーンへ。

実は、私はこの台詞が庵野監督がミヤムーにコレコレの状況だったら君なら何と言うかと質問して得た回答をそのまま使ったと聞き、「だったら物語の趣旨と実は関係ないのではないか?」といぶかしんでいた。
それがginmetto2氏の説によりそれなりに納得できてすっきり出来たという、お話。
ginmetto2氏の解釈によりシンジとアスカの関係、結末が非常に希望的なものになりました。
まぁあくまで解釈の問題であり、本当は庵野監督のルサンチマンをそのまま作品にしただけなのかもしれないけれど、ファンとしてはやはりアスカの存在については前向きな気持ちを持っていたいわけです。
それだけアスカが魅力的なキャラクターであり、同時に「気持ち悪い」のシーンはその魅力を全て破壊しかねないということだと思います。
あのシーンが希望的であるか絶望的であるかによって、視聴に費やしたエネルギーと時間が有意義になるかならないか決定されるといくらいに、私はあれを重視していました。

しかし、一昔前の作品であれば、少なくともアニメでは、「あんたが全部アタシのものにならないなら、アタシ、何にもいらない」という台詞は絶対、前向きな告白であり、主人公もそれに対し「僕の全てはアスカのものだよ」と(これも相当、倒錯している感じですが)前向きに応えていたことだと思います。
その点で、エヴァは大鬱病時代の先駆け的作品の一つと思います。

とはいえ映画の世界ではウディ・アレンフェデリコ・フェリーニなど鬱々アーティストが沢山いますが。